イチョウ葉エキスを使用して

稲生綱政氏談

当院での治験にあたり、まずは副作用の有無を調べる必要があった。
実は私自身、97年に帯状疱疹を患い4日間入院しました。
その際イチョウ葉エキスを飲み、快癒したということがあり、驚いて
周囲にいる身体の悪い人に飲んでもらったのですが、そこでも
いい結果がでました。脳の循環改善剤として欧州ですでに需要が
高いことは知っていましたので『これなら副作用もなく安心して
人に奨められる
』と判断し、患者や家族の了解を得て臨床データ
をとりました。

痴呆の例で、まずは73歳女性の場合。
痴呆の進行度合いを示す長谷川式スケール(*注)で、
入院時14点であったものがイチョウ葉エキスを1日あたり240mg
の投与を開始して4週間後には28点に上昇(正常値)年月日や
家族の事もよく思い出し、失禁もなくほぼ正常の生活を取り戻しました。

次に94歳女性では、
入院時長谷川スケールが10点で、老人性痴呆症が高度に進む入り口
にあったのが、イチョウ葉エキスを1日あたり240mgの投与を開始して
から、14日目で14点、28日目22点、6週間目には26点までに上昇。
歩行器を使っていたのが、自力歩行ができるようになり、
幻覚なども消えるという著効がみられました。

痴呆症の他の臨床例では、
しびれやめまい、疼痛、冷え性などの改善が数多く挙げられます。
また、糖尿病によるく壊疽防止に用いることができます。
基本的にイチョウ葉エキスの特徴は、その成分の働きが血液の正常化
を促すことから血管の修復や拡張、それに血液をサラサラにすることで
血流を促進するため、脊椎管狭窄症や末梢循環障害治療にも適しています。
したがって、今話題になっているバイアグラのような効果も考えられます。
それに安全性に優れていて、副作用がない点が安全です。

使用上の注意点は
私自身現在も健康維持の為イチョウ葉エキスを1日2粒飲んでおり、
それで痴呆が予防できればよいと思っています。
年に1度検診のときに長谷川式で痴呆の進行度合いを判断し
20点以下になったらなるべくイチョウ葉エキスを飲み、
痴呆が悪化する前にくい止めるように努めるといいと思います。


                                   1999年3月『わかさ』より     


稲生綱政       *注:長谷川式スケール
いなお・つなまさ
医療法人社団大坪会東和病院院長。
医学博士。
東京大学教授を経て、
1987年より東和病院院長。
日本透析医会名誉会長、腎研究会理事など。
高齢化社会の老人性痴呆への
対応に取り組む。
「長谷川式簡易知能評価スケール」のこと。
質問ごとに点数が決められ、その合計点で
痴呆老人かどうかといったことや、その進行
度合いを知ることができる。
0点〜30点まであり、21点〜30点が正常、
16点〜20点が軽度、
11点〜15点では中等度
10点以下が高度(重度)と判断する。

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